ごはんの食味

お米の食味

近赤外線分析機で、「アミロース」「タンパク質」「水分」「脂肪酸度(玄米)」の4つの成分を測定し、食味方程式により食味値を出します。

  • 味値は、100点満点で表し、数値が高いほど美味しいお米になります。
  • 最近の良食味品種の増加や美味しい米作りの努力により、日本産では、
    65~75点が標準になっています。
  • 食味を向上させて、70~80%の人が美味しいと認める、70点以上の良質米作りを目標にしましょう

1.アミロース・・・・・・デンプンの中のアミロースの比率を表します。

  • お米の主成分であるデンプンは、2割のアミロース(硬さの成分)と8割のアミロペクチン(粘りと軟らかさの成分)でできています。
  • もち米は、100%アミロペクチンでできています。
  • 日本では、「粘りのある」お米が美味しいため、アミロースの割合が低いほど美味しいお米になります。
  • 食味評価の最も良い新潟産コシヒカリは、アミロースの割合が16~17%位であり、パサパサして硬くてまずいお米は、22~23%位になります。
  • アミロースは、主に「品種・土壌・気候」により変化します。

2.タンパク質・・・・・・お米のタンパク質の比率を表します。

  • タンパク質は水を通さないため、お米の吸水を阻害します。タンパク質が少ないお米は、吸水が良いため、炊き上がりがふっくらとした美味しいご飯になります。
  • 日本の白米のタンパク質含有量の平均値は、6.8%です。(玄米7.4%)
  • タンパク質は、窒素成分を多く吸収すると増加します。
  • タンパク質は、窒素肥料の施肥量により変化し、肥培管理により改善できます。
  • タンパク質は、「品種・施肥・気象・土壌」により、変化します。

3.水 分・・・・・・お米の中の水分を表します。

  • 16%基準の範囲内で、水分の高い米ほど美味しいお米になります。
  • 14%以下の過乾燥米は、炊飯前の浸水時にヒビ割れを起こし、炊飯する時にデンプンが糊となって流れ出るため、ベットリしたご飯となり、食味が悪くなります。
  • 最近では精米工場の水分管理が厳しくなっており、農家でのより厳格な管理が求められています。14.5%以上の水分管理を徹底しましょう。
  • 15%以上の水分のお米は、低温貯蔵することが必要になります。
  • 水分は主に「乾燥・貯蔵」により変化します。

4.脂肪酸度・・・・・・脂肪の酸化度を測定し、表します。

  • 米の脂肪は、貯蔵中に徐々に酸化されるため、酸化度により古米化の進み度合いがわかります。
  • 収穫直後の新米は、10~20㎎が標準ですが、時間とともにこの数値は高くなります。
  • 脂肪酸化度は、低いほど新鮮で美味しいお米になります。
  • 脂肪酸化度は、主に「乾燥調整・貯蔵・品質」により変化します。

食味分析結果

食味測定器で食味分析をしてもらいました。
色艶・弾力・甘味どれも最高のお米がとれました。

品種:コシヒカリ(合鴨米)

年度 アミロース(%) タンパク質(%) 水分(%) 脂肪酸度(mg/100g) 食味値
平成27年度 18.4 6.8 14.6 13.5 80pint
平成28年度 18.5 7.1 14.8 13.0 81pint
平成29年度 17.7 6.7 14.7 14.3 88pint
平成30年度 18.0 7.0 14.5 14.0 85pint
令和元年 18.4 6.9 14.7 13.8 80pint
令和2年 18.3 6.9 14.5 15.0 89pint
令和3年 18.4 7.0 14.4 14.8 88pint

※測定機器 成分分析計AN-800(株 ケット科学研究所)
※測定方法 近赤外分光法(透過式)

各成分と食味分析食味との関係

食味値は100pintで表示します。
他の食味計などで比較しても同じような数値にはなりません。

項目 食味への影響 参考評価値
アミロース
(玄米%)
低いほど食味良 18%未満 良い
18%~22%未満 普通
22%以上 劣る
タンパク質
(乾物%)
高すぎると食味低下 7%以上 良い
7%~9%未満 適正
9%以上 劣る
水分
(水率%)
低いほど食味良 16%以上 規格外
15%台 適正
14%以下 劣る
脂肪酸度
(mg/g)
低いほど新鮮 10~20mg 適正
20㎎以上 劣る
食味値
(pint)
高いほど食味良 80pint以上 極上
75~80pint未満 優良
70~75pint未満 良い
65~75pint未満 普通
65pint未満 劣る